Sta.神田
神田万世橋の高架下に作られたレストランの内装設計である。渋谷にあるSta.の2店舗目として計画された。
整備された高架下にはカフェやアパレルなどが入っており、そのエリアの一番奥の区画が今回の空間となった。
2店舗目を計画する上で、渋谷にある1店舗目のどの要素をSta.と定義して組み込むべきかを議論するところから設計は始まった。
商業施設の一番奥の区画ということもあり、他の店舗を通り抜けて店舗に到達するシークエンスは選択せず、あえて外に出て一度リセットしてから店舗に入る動線計画とした。それは渋谷店の隠れ家的な立地にも通ずるものとなった。
内装計画においては、文化財のため床・壁・天井への造作は100%不可という条件の中で、Sta.の空間性を設える必要があった。そこで、物質的なアイコンでもある大理石、ペンダント照明を大きなフレームに組み込んで一体的な家具として見せることを提案した。天井高を最大限に使うフレームは、既存の天井アーチによって施設側に支配されていた気積をSta.のものとして大きく取り込む。渋谷で採用していたハイスツールから、ローチェアに変更することで取り込む気積は下方にも広がり、その中に大理石とペンダント照明を配置することで、取り込んだ気積はSta.の空間性へと変わった。大理石は既存空間の壁面に象徴的に積まれたレンガをなぞり赤く、腰から下にあるローチェアと腰壁は床の近似色とした配色した。Sta.の空間性をまとったフレームはその大きさからフレーム外の空間にも影響を与えることもできた。
これらの操作は、1店舗目で行った既存空間の特徴を生かし味方につける手法に沿ったものとなり、Sta.というレストランを物質的アイコン以外にも定義する手法を明確化することができた。
| 名称 | Sta. 神田 |
| 施主 | kon Inc. |
| 場所 | 東京都千代田区神田 |
| 用途 | 飲食店 |
| 設計 | ya |
| 施工 | ya |
| 協力 | O.F.C(什器) 関ヶ原石材(大理石) ホシザキ(厨房) エムエス美創(看板) ya(照明) はたでん(電気) TDC(給排水) ライフバル(ガス) warafu(植栽) |
| 床面積 | 146.84m² |
| 完成年 | 2021.03 |
| 写真 | kon Inc. |
| Title | Sta. Kanda |
| Client | kon Inc. |
| Location | Kanda, Tokyo |
| Usage | Restaurant |
| Design | ya |
| Constr. | ya |
| Collab | O.F.C(Furniture) SEKISTONE Co.,Ltd(Marble) HOSHIZAKI CORPORATION(Kitchen) Sign MS(Sign) ya(Lighting) Hataden(Electricity) TDC(Water supply) LIFEVAL(Gas) warafu(Plants) |
| Area | 137.26m² |
| Date | March 2021 |
| Photo | kon Inc. |