サイバーエージェントとアマナデザインの新会社である CaDesign の代官山オフィスの敷地として選ばれたのは、店舗が立ち並び人通りが多い通りに面していてオフィスとしては特殊な立地だった。
PCに向かって作業することが多い業態だが、クリエイティブ性が高い業務。それをフロアに閉じ込めるのではなく、開放的に環境とできるよう賑やかな通りに対して開こうと考えた。奥行きのある空間を左右に切り分け、エントランスに面した側を路地のように奥まで引き込んだプレゼン空間とし、もう片方は表通りに接しながらも一段を上げて守られた島状の執務空間とした。

プレゼン空間と執務空間は、隣接していることでコミュニケーションが取りやすくも、レベル差により集中への切り替えもできる関係性を産んでいる。
執務空間は作業内容に応じて選べるよう、空間の高さや奥行きを生かし性格の違う島を用意した。街に近い島、天井が低く落ち着く島、通りから隠れた島など。路地空間ではスタンディンでの作業も可能にした。一体的にプレゼンするときは、片側にある大きな白壁面にプロジェクションできるようにしてある。

新会社ということもありこれから人数が増えていき、キャラクターも出てくる。現段階では、素地に近い素材を選定し、今後のきっかけとなるよう差し色の什器を数カ所用意するに留めた。これからの業務のありように合わせて必要な什器を追加したり、床材を入れ設たりできるような下地となる場所になった。