Mitsui

宮崎県延岡市に新しく開拓された工業地帯に建つ、設備部品を扱う商社の倉庫兼オフィス。倉庫では、大型の物品からボルトのような細かい部品までを保管していて、日々、必要な部品を取りに設備業者が訪れる。付随するオフィスでは来訪者の応対・管理を行っている。

来訪者は受付を経て、トラックのまま倉庫に入り必要な部品を調達していく出ていく。
そのため、平面計画は必然的に車のスケール感と動線を考慮したものになる。高さ寸法は搬入用のフォークリフトの可動域で決まり、オフィスでは事務作業を行いつつも倉庫で作業する来訪者が見える見通しの良い関係を作っていく必要あった。その結果、車幅・高天井・見通しを考慮した大空間とする必要があった。
大空間を獲得するために、構造的には鉄骨造での検討を想定したが、減価償却期間への配慮から木造を選択することになった。そこで、木造で費用対効果も良く大空間を作れる木質トラスを採用し、空間の骨格を作ることとした。費用と工期の面からも、工場製作した木質トラスをトラックで運搬できる幅を最大幅として細長い空間とし、その幅の中に、必要な寸法体系や倉庫とオフィスの関係性をレイアウトした。
倉庫は、部品の保管面積確保と直射日光による商品の劣化を防ぐために窓を設けなかったが、薄暗い人工照明の空間となってしまい、オフィスに見通しよく隣接する空間としては適さないと判断し、オフィス端部に大きな開口部を設け、細長く連続する形状を利用し、自然採光を倉庫まで流し込んだ。
必然的に壁や天井の面強度を出すために、構造用合板で囲われる空間になるが、オフィスにはフシの少ないヒノキ構造用合板を採用して耐力を担保させつつも、居心地へ配慮をした。業務動線や費用・工期の効率性から生まれた大空間に、その延長にある操作でオフィスの居心地を与えることを試みた。

 

名称 三井新社屋
施主 株式会社三井
場所 宮崎県延岡市
用途 倉庫+オフィス
設計 ya
施工 上田工業株式会社
床面積 828.82m²
完成年 2019.5
写真 山内拓也
Title MITSUI New Office
Client MITSUI CO.,LTD
Location Nobeoka, Miyazaki
Usage Office+Strage
Design ya
Constr. UEDAKOGYO co.ltd
Area 828.82m²
Date May 2019
Photo Takuya Yamauchi