Sta. 渋谷
渋谷にあるRC3階建ての元住宅からレストランへの改装計画である。
駅から少し離れた隠れ家的な立地にある。今回が1店舗目ということもあり様々な可能性を検討し、試行錯誤を繰り返しながら、最終的に1階をギャラリー、2階をカウンター席、3階をテーブル席として設計した。
既存空間の持っている質をリセットして作りこむことはしたくなかった。各階それぞれが持っていた既存の空間性を頼りに、その特徴を活かすように計画をしていった。
1階は、駐車場だった。道路側へ大きく開けるシャッターが併設されていて、横方向へ広がる空間。隠れ家的でありながら街へ発信する場所になっている。
2階は、寝室や風呂場の間仕切り壁を撤去して、トンネルのように奥へ続く空間。くの字の躯体に沿って少し曲がったカウンターが個々に座りながらもみんなで食卓を囲んでいる印象を生んだ。
3階は、リビングとキッチンがあった。天窓を有した高天井を生かして、上へと広がる空間を共有しつつも手元の灯りを頼りに自分達の場を感じる空間。
自然と1つの建物の中に様々な空間の質を用意することができた。
幅が狭い空間を接客空間として設えていくために、内装材を剥がして躯体表しとして最大限にスペースを確保した。そこに現れたコンクリートの表情は飲食店にしては荒すぎて、狭い空間においてはそれは間近に見えてしまう。
その荒い躯体を良く見せるために、安直に空間の一面を白色で隠蔽して、そのコントラストを見せるなどの大きい操作はありがちで避けたかった。そもそも狭い空間ではそのコントラストを感じる視野は確保できない。
今回は、小さく細やかなコントラストを生む要素を既存空間に挿入することで、既存の印象を損なわずに空間を整えることにした。既存躯体とは対照的に整っているが同系色の素材。大理石、石板、アルミ、モルタル、フレキなど。それらを適材適所に当てはめていった。
そこに調味料のように木や皮の素材で味付けた。
明確に大きなコンセプトで作るというよりは、それぞれの場所への丁寧な調整の積み重ねで空間を作っていった。
名称 | Sta. 渋谷 |
施主 | 株式会社kon |
場所 | 東京都渋谷区円山町 |
用途 | 飲食店 |
設計 | ya |
施工 | 分離発注 |
グラフィック | 加藤亮介 |
協力 |
ANGULO(什器) 関ヶ原石材(大理石) ホシザキ(厨房) inLighten(照明1F) ya(照明2,3F) ホワイトライト(音響) warafu(植栽) |
床面積 | 137.26m² |
完成年 | 2019.5 |
写真 | 山内拓也, Sta. |
Title | Sta. Shibuya |
Client | kon Inc. |
Location | Maruyamacho, Tokyo |
Usage | Restaurant |
Design | ya |
Constr. | Separate order |
Graphic | Ryosuk Kato |
Collab |
ANGULO(Furniture) SEKISTONE Co.,Ltd(Marble) HOSHIZAKI CORPORATION(Kitchen) Sign MS(Sign) inLighten(Lighting 1F) ya(Lighting 2,3F) WHITELIGHT.Ltd(Acoustic) warafu(Plants) |
Area | 137.26m² |
Date | May 2019 |
Photo | Takuya Yamauchi, Sta. |